簡単!万年筆復活法
眠っていた万年筆を使えるようにする
これから万年筆を使ってみようかなとお思いの方の中には、
そういえば、
以前もらった万年筆があるよという方もいらっしゃるのでは。
昔は、入学や就職のお祝い品としてプレゼントされたものでした。
新しいのを買うのもいいけど、復活させてみませんか?
用意する物。コップの水とティッシュ(布でもいいです。)。
このコラムで想定している万年筆は、
その時、ちょこっと試し書きをしたまま、存在すら忘れていた。
今日、取り出してみたものの書けない。インクが出ない状態。
当然入れたインクの色も忘れてしまっている。
というものとします。
【ステップ1】インクが残っているかチェックする。
まず、インク自体が残っているのかどうかを確認します。
この時点で、どうすればいいか分からない方は、深追いせず専門店でお聞き下さい。
或は、取扱説明書があれば、それを確認してみます。
その万年筆がカートリッジ式(首軸が簡単に取れるタイプ。)か吸入式(首軸が通常取れないタイプ)か分かっていれば、問題なしでしょう。
残っていた場合。ステップ2へ。
残っていない場合。書けないのは当然。次のステップ3へ。
【ステップ2】固まったインクを水で溶かす。
くれぐれも、ガリガリ、グルグル書き続けないで下さいね。
ペン先を傷めます。
インクカートリッジの場合、ペン先にインクを送る為にぐっと握るのも止めたほうがいい。
何度もやってると、カートリッジにクラックが入って知らぬ間に指がインクでべっとり・・
ペン先の方から、インクがボタボタって落ちてた・・なんてこともあったっけ。
でもインクが出なかったりかすれると、どうしてもしてしまうのですよね。(笑)
事前に準備した
コップの水に、ちょこっとペン先をつけてみましょう。
(あるいは、何回か繰り返してもいいですよ。)
水面にインクがにじんで出てきているなら、うれしい知らせです。
取り出して、そのまま試し書きです。
と、その前にティッシュ(習字で使う半紙でもいいですよ)に、軽くペン先をつけます。
最初、薄めの色がだんだん濃くなって、どんどんインクを吸ってくれます。
インクが、じわ~と広がるかんじ。
だんだん、インクの色が濃くなってきてきたら、メモ帳などに試し書きをします。
書けるようになれば、とりあえず、復活です。
とりあえずね。
依然、症状が変わらない時。
例えば、途中でティッシュにインクが広がらなくなったりとか。
紙に書くと、かすれるとか。
そんな時は、
次のステップ3へ。
【ステップ3】ついでに洗浄してキレイにしてみましょう
カートリッジ式の場合は、首軸のみを(カートリッジも外して)コップの水に浸けましょう。
(注意:まれに、軸が木製とか、皮製のもの。
首軸にラバーが巻いてあるものとかは長時間水に浸けるのが不適当な場合があります。)
水に浸けるのは、
ペン芯の中の固まったインクを溶かそうということなのです。
特別なことはしなくて大丈夫。
水の中にいれて、様子を見るだけ。
ただ、
使っていなかった日数によっても違うのですが、じっくり待つ必要があります。
あせらず、じっくりインクを吐き出させましょう。
水が全体的に汚れてきたら、交換し、又浸ける。
その繰り返し。
インクが出てこなくなったら、引き上げます。
流水でざっと洗ったら、
よく、水気を取ってから、新しいインクをいれます。
吸入式(コンバーターの場合も)の場合は、もう少し簡単。
ペン先を水に浸けたまま、何度か、水を吸いこませたり
出したりして、内部を洗浄します。
インクが出てこなくなったら、
同様によく、水気を取ってから、新しいインクを吸入します。
ここまですれば、大抵のものは、書けるようになるはずです。
万年筆復活方法の注意点とその後
新しいカートリッジインクに変えても、すぐインクが出てこない場合があります。
そんな時は、ちょっとコーヒーでも飲んで、時間を置いてみて下さい。
でも、これでもインクが出ない、かすれるなどのような場合は、
決して、深追いせず、お店に行って下さい。
或は、ペンクリニックに行って見てもらって下さい。
一般の万年筆ユーザーが、これ以上に出来ることはないと思います。
ペンクリニック(メーカーなどがイベントとして催している)なら、部品交換の場合の外は、無料で直してもらえますよ。
実は、
度々出てくる"深追いしない"ってのが、メチャメチャ重要なんです!!
自分の手で、復活させた万年筆。
(っていっても洗浄しただけですが。)
結構、愛着が湧いてくるもんです。
是非、インクが出て書けるようになっても、しばらく放置していた万年筆です。
この機会に、ペンクリニックなどにいってちゃんと調整してもらって下さい。
お気づきかと、思いますが【ステップ3】は、万年筆の洗浄法でも
あるわけなんですね。
インクを替えたい時等々、万年筆と付き合うためには、欠かせない事です。